これまで読んできた野球本の中から特に印象に残った「ことば」、考えさせられた「ことば」などを紹介します。
「魂が神宮球場から離れない」とは、大学野球生活4年間を80戦全敗で終えることになった当時の副将、初馬眞人氏の”ことば”です。
八十回もやって勝てないというのは、もう悔しいというレベルではないですね。悔しさが積もりに積もって八十回。単純に八十回積もっても一回勝てばそれを吹き飛ばせるものだと信じていましたが、その吹き飛ばす機会を僕たちはもう得ることができません。だから、気持ちというか、”魂”が神宮に取りついて離れられないんです
最終的には、初馬氏たちの背中を見てきた後輩たちが連敗を94で止め、悲願の1勝、勝ち点1を獲得するのですが、初馬氏のことばに代表されるように、勝利の味を知らずに卒業していった先輩たちの思いが本書から痛いほど伝わってくるだけに、読んでいて胸が熱くなりました。
これまで東京六大学を見に行って、対戦相手のいずれかが東京大学だった場合は「ハズレ」感が強かったのは否めません。
ですが、本書を読むとむしろ東京大学の試合を見に行きたくてたまりません。
素晴らしい一冊の中の心に刺さる今回の”ことば”でした。
それほど、この言葉が店主の胸に深く深く刺さったのでした。
【掲載されている本】
「敗れても 敗れても ――東大野球部「百年」の奮戦」
(著者:門田隆将/出版社:中央公論新社/価格:1728円)
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