【感想】「スッポンの河さん 伝説のスカウト河西俊雄」(3/20/2019)

スカウト本にハズレなし!

昨年発売された、2010年に発売された書籍の改訂版。
藤田平、江夏豊、川藤幸三、掛布雅之、阿波野秀幸、野茂英雄、中村紀洋…数多くの名選手を見出し、獲得を手がけてきた伝説の名スカウト河西俊雄の足跡を振り返る一冊。

この本の中で好きなエピソードが3つあります。

後の300勝投手となる鈴木啓示(元近鉄)は、当時阪神のスカウト河西が親を口説き落とし、早々に阪神入りが決まっていました。しかし、この年からドラフト制度が始まってしまい、決まりかけていた入団はご破算に。河西はドラフトでの1位指名を主張しましたが若手スカウトに過ぎなかったために意見は採用されず近鉄に横取りされてしまいました。
しかし、翌年には河西の強い推薦で同じ高校生左腕の江夏豊を1位指名。もしも前年に鈴木を獲得できていればこの年の江夏の1指名はなかったのです(2年連続で高校生左腕の1位指名となるため)。

1989年のドラフトで8球団競合の末に野茂英雄を引き合てた近鉄でしたが、実は河西は競合を回避して小宮山悟(当時早稲田大)、西村龍次(当時ヤマハ)の単独入札を考えていました。しかし若手スカウト達から「勝負しましょう!」と促されて野茂の1位指名を決断した結果、8球団競合の末に引き当てルことに成功しました。

95年に7球団競合の末に交渉権を獲得した福留孝介(当時PL学園)は、ドラフト前から「強行指名しても無理」という情報を河西は掴んでいたため、当たりくじを引いたときは「困ったことになった…」と思ったそうです。
入団を拒否して日本生命に進んだ福留は、その後に河西と顔を合わせる機会があってもしっかりと挨拶を行い、3年後に中日を逆指名して入団が決まったときにも河西に電話を入れて「会ってご挨拶をさせて欲しいと」筋を通したそうです。河西もそんな福留の人柄が大好きで2人の間に遺恨のようなモノはにもないんですね。

全編を通して、こういった有名選手たちの獲得秘話が満載です。
歴史に「if」はありませんが、「あのとき実はー」という話を知らされると、ドラフト好きとしては妄想欲をかき立てられ、ページをめくる手が止まらなくなります。

ドラフト好き、古きよき時代のプロ野球の話が好きな人はぜひ読んで頂きたい一冊です!

澤宮優
集英社
693円

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