
村瀬秀信
集英社
1,980円
「じいさん、あんた誰やねん?」
阪神タイガース史上最大のミステリー。プロ野球経験ゼロの「おじいさん」が、突然、タイガース監督に大抜擢!?
面白半分で謎の老人、岸一郎の足跡を辿り始めると、思いも寄らぬ事実の数々に遭遇。
いつしか話は水戸天狗党にまで及ぶ、村瀬ワールド炸裂の痛快ノンフィクション。
「カイザー・ソゼ、お前は一体誰なんだ?」とはサスペンス映画の金字塔『ユージュアル・サスペクツ』の台詞の一言だが、この作品を読めば『岸一郎、お前は一体誰なんだ?』と心の中で呟きたくなる。
第1章から第4章まではまるで神田伯山の講談を聞いているかのようなテンポと痛快さ。グイグイと話しに引き込まれるが、第5章では文体がガラリと変わり、ある人は「横溝正史のようだ」「沢木耕太郎だ」と言う(しかしながらも幕末を「〝リアル侍ジャパン〟がいた時代」と表現する村瀬節は健在)。
これは阪神タイガース版『ファミリーヒストリー』。
しかしながら岸一郎を中心に置きながらも、テーマはあくまでも『虎の血』。阪神球団に脈々と流れる『血』とは何なのか!?
ぜひ、読んで欲しい。
【目次】
第1章 第8代監督 岸一郎
第2章 ベテランを殺す
第3章 1955年の33試合
第4章 ミスタータイガース
第5章 消えた老人を追って
第6章 苛政は虎よりも猛し
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