
これまで読んできた野球本の中から特に印象に残った「ことば」、考えさせられた「ことば」などを紹介します。
大洋ホーエルズの田代を褒めたことがあるんだよ。君の空振りは、本当に偉いって。田代はね、子どもの頃にフルスイングしろって教わったんだよ。その先生は、「野球は勝つためにやるんじゃないよ、ルールがあって、あとは遊びだ」って教えた。いい言葉だよ。今は私が使ってる。野球はルールのある遊び。私の世代は敵味方という考えが強くなってしまうけど、プレーなんだよね。
藤木幸夫(神奈川県野球協議会会長)
【掲載されている本】
真夏の球譜(下)
(著者:神奈川新聞社/出版社:神奈川新聞社/価格:864円)

真夏の球譜(下)
紹介したのは横浜高校前監督の渡辺元智氏との対談の中で、藤木氏が語ったことば。
対談の中で野球の普及という話題になり、渡辺氏は、遊び感覚でできて子ども達に野球の楽しさを教えられるティーボールを推奨し、それが野球人口の増加に繋がるのではないかと語る。
藤木氏は子どもは褒めればまた野球をやるようになるといい、渡辺氏も「子どもたちは振って覚えるんです。指導者がガンガンやると怖くて振れない」と、褒める指導の必要性を説いている。
昨今、少年野球人口の減少が叫ばれ、そもそも親が子どもに野球をさせたがらないと聞く。
指導者が「野球はルールのある遊び」という認識を持てば、自然と子どもたちのことをもっと褒めるようになるのではないだろうか。
それが野球人口を増やす一つの要因になるかもしれない。
「野球はルールのある遊び」という藤木氏のことばは、意外と奥が深いように思える。
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