「諦めないオーナー プロ野球改革挑戦記」(2023/12/15)

「諦めないオーナー プロ野球改革挑戦記」の表紙画像

宮内義彦 (著)/白壁達久 (編集)
日経BP
1870円

【面白かった度】★★★★☆

本社からの出向という「サラリーマンオーナー」が多いプロ野球界において、自身のオーナー生活を振り返る回顧録は珍しい。それが34年もオーナーを務めた「創業オーナー」の宮内氏の回顧録ならばなおさらです。
球団買収、神戸への本拠地移転、イチローの大ブレイク、阪神大震災、球界再編、長期低迷、近鉄との合併、3連覇・・・これらはもちろん、暗黒時代に行われていた失敗ドラフト、トレード、FA補強の裏側をオーナー自らが振り返る章は特に面白かったです。
球界再編に関する考え方は同意できないが、資料価値も含めて読み応えのある一冊でした。

【本書の目次】

■はじめに
編集者のモノローグ
■プロローグ
私がオーナー34年の記録を残したいと思った理由
34年間で3段階に変化した「オーナー観」
■第1章
急転直下で決まったブレーブス買収劇
後にも先にもない「デューデリなし」での決断 ほか

証言・詳言(1)梅田芸術劇場取締役会長:小川友次氏
続投を固辞していた上田監督 心を動かした1通の手紙

■第2章
オーナー視点の監督論 そしてフロント
監督は「現場の責任者」 チーム全体の責任はオーナーにある ほか

■第3章
イチロー登場と「がんばろうKOBE」
市民球団を襲った阪神・淡路大震災 ほか

証言・詳言(2)元オリックス球団代表:井箟重慶氏
「観客がゼロでも神戸でやるんだ」 元球団代表が語るオーナーの素顔

■第4章
近鉄との球団合併と球界再編
近鉄がプロ野球から撤退の意思 「大阪が空く」で合併を進言 ほか

■第5章
長期低迷を招いたオーナーの後悔
独立採算なくして球界の成長なし

■第6章
最下位から優勝、日本一へ 快進撃を生んだ改革の鍵
ゲーム差なしの僅差2位 そこからの大型補強が裏目に ほか

証言・詳言(3)ダイキン工業取締役会長 オリックス・バファローズ後援会長:井上礼之氏
後援会長が傍らで見たオーナーとチームの変化

■第7章
動き始めた「岩盤」 チームを超えた団結に合理性
危機意識が高かったパ・リーグ セに先行して一致団結 ほか

証言・詳言(4)横浜DeNAベイスターズオーナー DeNA会長:南場智子氏
宮内さんに教えてもらったプロ野球経営2つの極意

■第8章
NPBがMLBを超える日
オーナー会議主導で新しい方向へ ほか

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